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MCP(Model Context Protocol)を実務で使ってみた1ヶ月

「Model Context Protocol(MCP)」を業務で1ヶ月使ってみました。Anthropic が提唱する「LLM と外部ツールを繋ぐ標準仕様」、実装してみると見えてきた便利さと、まだ不便な部分を率直にレポートします。

そもそも MCP とは

LLMが外部ツール(ファイルシステム・データベース・SaaS など)を呼び出すための標準プロトコル。これまで各社が独自の Function Calling 仕様を持っていたのを、共通仕様化する動きです。

導入の第一歩

Claude Desktop で MCP 対応サーバーを設定するだけで、特定の機能(ファイル読み書き、Web 検索、DB アクセス等)が自動的に Claude の能力として組み込まれます。

設定ファイルに数行追加するだけで「Claude がローカルファイルを読める」「Claude が GitHub の Issue を取得できる」のような能力が増えていきます。

実務で便利だったケース

1. ローカルファイル直接編集

「このフォルダの README を読んで、改善案を出して」と言うだけで Claude が開いて修正案を提示。ファイル名を聞いてもらうやり取りが消えました。

2. データベース直接クエリ

「先月の注文数をテーブルから集計して」と聞くと、Claude が SQL を組み立てて実行・結果を要約。BIツール経由の手間が消えました。

3. GitHub 連携

Issue 一覧を取得・優先順位を付けて整理。「先週のオープン Issue を3行ずつ要約」が秒で終わります。

まだ不便な部分

  • サーバー実装の少なさ:欲しい連携先のサーバーがまだ存在しない場合がある
  • セキュリティ設定:ローカルファイル全権限を渡すのは怖い、細かい権限設計が要る
  • デバッグの難しさ:「どのツールが呼ばれたか」が見えにくい
  • ドキュメントの不足:探さないと書き方が分からない

運用上の注意

  • ローカルファイル系は限定フォルダのみアクセス許可
  • 本番DB へは読み取り権限のみで接続
  • Webサイト書き込み系は別環境でテストしてから本番へ

結論:未来は明るい、今は人柱期

MCP は将来的に「AIツールの USB-C」になるポテンシャルがあります。ただし2026年現在は人柱期。新しいことに挑戦したいエンジニアならチャレンジ価値は十分、業務利用の安定性を最優先するならもう半年待つのが安全だと思います。

よくある質問

この記事に関連する質問と答えをまとめました。

Q.MCP は実務でどんな使い方が現実的ですか?
A.
社内 DB のデータ検索、Slack/Notion との連携、独自業務ツールへの接続が主な用途です。「Claude Desktop から自社システムを叩く」がイメージとして近いです。
Q.MCP サーバーの実装にどれくらいかかる?
A.
最小実装は数時間、本番想定(認証・監査ログ・エラー処理付き)で1〜2週間が目安。開発者がいるチームには現実的に取り組める範囲です。
Q.MCP の落とし穴は?
A.
①認証設計の甘さ、②マルチテナント分離の漏れ、③ログ管理の不備、の3つが本番運用での詰まりポイントです。詳細は「MCP統合コース」で扱っています。